怠け者備忘録

僕らはいつだって井の中の蛙なんだ(*^◯^*)

行き止まりのこの世界で

目の前にある世界はもうすでに行き先のない、袋小路に入っているのかもしれない。山間部の車一台がやっと通れるような国道を車で走りながら、そんな漠然とした不安が胸に押し寄せてきた。 僕はふと思い立って登山に出かけたが、気まぐれに決めたため無計画に…

大人に"走れ"とけしかけている『空の青さを知る人よ』

とてもとても今更ながら"空の青さを知る人よ"感想 新海誠にせよ、岡田麿里にせよ、青春を過ぎてしまったはずの大人たちに"走れ"とけしかけているような気がした。20代前半の今ではなく、30代になってから鑑賞したら多分泣いてしまうと思うほどに心に響いた作…

マイホームタウン

一昨年のクリスマスイブに沢木耕太郎が毎年出演しているラジオで興味深いことを言っていた。要約すると、ある映画で父親が息子に「ここがお前のホームタウンだ。」と言っているのを観て、沢木耕太郎も自分の父親に"ここ(東京)がお前のホームタウンだ。"と…

物語の推進力

※かなりネタバレを含みます。 もしかしたら邦画の想像力では、世界的な名作はもう作れないのかもしれない。僕はそんな絶望的な思いをしながら映画『キングダム』を観ていた。 『キングダム』は原作が漫画で、古代中国の戦国時代の物語である。下僕の少年が偶…

言葉の栞

今年の夏、ある友人が言っていた、"平成最後の夏"―この言葉を聞くと釈然としない気持ちになる、と。僕はその時あまり深くも考えずに答えた。"多分それは言葉の栞なのだろう。普段と同じ夏ではなく、一回きりの夏として覚えておこうとする、刹那的な真理なの…

夭折者と速度 ―ボヘミアン・ラプソディ―

人生には速度がある。それも強烈なまでの速度で自らの人生へ句点を打つような人間が存在する。ボヘミアン・ラプソディ―を鑑賞した後、沢木耕太郎の夭折者への執着を思い出した。 僕はフレディ・マーキュリーの名前を知識としては知っていた。そして曲はもち…